イジワル王子と屋根の下
「…自分のためにそれだけ一心になってくれる奴がどれだけいるか、よく考えてみろよ」
「…、」
瞬はそう言い終えると、そのまま歩き出す。
「……」
『食う相手のこと考えて作ってる』
『自分のためにそれだけ一心になってくれる奴がどれだけいるか、』
びっくり、した。
あの瞬がそんなことを考えていて、そんなこと言う、なんて…
びっくりした。すごく、びっくりした。
「…お前、男の趣味最悪」
「…うん。そうかも」
「……」
「…何であそこまで言ってくれたの?」
「……」
その手はしっかりと、肩を抱いたまま。