イジワル王子と屋根の下







取りあえず落ち着きを取り戻し、私とその人は二人ダンボールと備え付けの家具に囲まれたダイニングで、携帯片手に眉間にシワを寄せる。



「ー…わかりました、失礼します」



ーピッ、

通話を終え、彼からははぁ…と深い溜息がこぼされた。



「不動産はやっぱり繋がらなかった…大家さんの方ははどうだった?」

「あぁ。あの不動産屋かなり悪徳だったみたいで、今現在色んなマンションの新規入居の人から同じような電話がじゃんじゃん来てて困ってる、とさ」

「はぁ…ここもそのうちの一つかぁ…」



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