そよ風の妖精
突風
「えぇえぇぇっっ!!!
ちょお待ってーな!!なんで俺が
夏休み補習で悠はないん!!?」
渉の甲高い声が、教室中に
響き渡った。
「へっへーん!俺は天才だから」
胸を張りながら答える。
君より頭のいい人なんて
何万もいるよ…
「むっかつくわぁ!!今に見てろよ
てめぇぜった…いてっっ!!!!」
「おまえが理由聞くからわしは
せっかく説明してんのに聞かんとは
なんじゃいっっ!!」
ぎゃーぎゃー騒いでる渉の頭に
担任の山口秀雄先生のげんこつが
落ちた
「せんせーぇ。叩かんくても
ええやんかぁ~」
「だまれっっっ!!!!!」
「はい…」
「やーい」
「おまえもじゃ!悠!!!」
「ごめん」
「ぷはっ!!!」
そんなコントみたいな会話に
こらえきれず思わず
笑ってしまう
「てめぇ、時雨!!笑ってんじゃ
ねーよっ!!」
「あっ。時雨、お前も補習組だ。」
ぷんすか怒っている悠ちゃんを
尻目に山口先生は
聞きたくなかった一言をいとも
簡単に言ってのけた。
「はぁぁぁぁぁ!!?」
「忘れてたわ」
「絶対行かないかんね!!!」
こんな調子だけど、明日から
地獄の夏休み突入ですっっ!!