そよ風の妖精
「暑ーいっ!!!!」

みんなのぼやき声が聞こえる。

「時雨まだ終わらんの??」

「ちょっと待ってー」

ただ今補習のプリント中
みんなが続々帰っていく中
あたしと女の子、あと渉が
机に向かっている。

渉はとっくに終わって、あたしを
待ってくれてるんだけど…

「ねぇ」

「え?」

「あたし涙(ルイ)。お友達になろ?」

色白でパッチリ二重の女の子が
視界に入った

「いーよー。あたし時雨ね!」

「知ってる!!」

「なんでぇ~?」

「あたしのクラスの奴らが
かわいい~って騒いでたから、
喋ってみたかったんだよね!」

涙と名乗る女の子は目を
輝かせながら答えた

「どっこが!!!こんなチンチクリン。
もの好きがおんねんなぁ~」

「むっ!!なによ渉!!!」

さっきまでうつらうつらと
していた渉がいつの間にか
会話に入ってきている。

「涙ちゃんの方がよっぽど
かわいいやんけ!!!」

「そ…そんな。」

パッと涙の顔が赤くなるのが
わかった

「くぉらー!!!!!お前ら課題
おわったんかぁ!!!?」

いい感じのところでさっきまで
椅子に腰かけながらグーグーと
いびきをかきながら寝ていた
はずの担任が怒鳴った

「「まだです」」

「くっちゃべっとらんと
さっさと終わらせろ!!!」

「「はーい」」

そう言ってあたしたちは
顔を見合せながらほほ笑んだ


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