きみだけが好き。



『じゃーな。 また明日』


「あ、八代くん!!」


 私は、重要なことを聞くのを忘れていた。


『どした?』


「あの…今日って、山岡さんと帰ったの…?」


 ずっと、聞きたかったこと。


 もし、「そうだけど」って言われたら…どうしよう??


『あー…誘われたけど断った。 てか、俺ああゆうの苦手だから一緒に帰るとかありえないし』


「あ、そうなんだ…。 ごめん、それだけ……ばいばい」


『…ん、じゃあな。 …また明日』




 よ…よかったぁーー…。 山岡さんと、帰ってたわけじゃなかったんだ…。


 勝手に勘違いしちゃった…。


 それにしても。


 『また明日』


 その、何気ない言葉もドキドキする。


 私は携帯を閉じようとした……ん?


「受信ボックスに1件ある…」


 クリックしてみると、【紫月】の文字。



【ふふっ。 今一緒に帰ってる?? 花帆がんば☆】



「あっ、そっか!! 紫月、私が今日告白すると思ってるんだった!」


 私は慌てて紫月にメールを打って、今日は帰れなかったことを説明した。


 それから、八代くんとメールと電話をしたことも話した。


 紫月は、【そっかぁ…。 残念だったね…。 でも、八代くんとメールと電話できてよかったじゃん♪♪】って言ってくれた。




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