きみだけが好き。
恋に気づかず。
勉強会。
4月からあっという間に月日が経って、もう6月中旬。
席は相変わらずそのまんまで、八代くんの隣。
担任が、みんなの名前を覚えるまでこの席なんだって。
……それにしても。
「はい、じゃーこの間の中間テスト返すぞー」
やばいな…っ
今回ちょっと危ないかも!!
「森田ー」
「は、はいっ」
このテストで合計が決まる…。
でもニガテな数学……。
どうか、赤点だけは取りませんように…!
「お前、もう少し勉強しろ」
や…やっぱり良くない?
席に戻ってから一枚の紙をペラッとめくる。
……。
……。
……なにこれ。
「森田どーだった? 数学」
隣から八代くんの声。
「へ!? うん、普通だったよ」
あははっ、と笑って見せる。