きみだけが好き。



 …でも、心なしか八代くんが笑ってるから……いいかな?って思ってしまう。


 その笑顔を、独り占めしちゃいたいなんて……私って重症かも。


「…何そんな見つめてんだよ…勘違いするっつの……」


「えっ?」


「…なんでも。 カフェでいー?」


「う、うん」


 八代くんは立ったかと思うと、滝さんにさっき提案したことを伝えてる感じだった。


 そっか…伝えにいくことになってたんだ。


 私、なんにも聞いてなくて……八代くんに迷惑かけちゃったかな?


 それに…さっきの言葉、どういう意味?


 八代くんは聞こえないように言ってたのかもしれないけど…


 聞こえてまった。


 『勘違いしそうになる』って、どういう事?


 もしもだけど、私が八代くんを好きなことに…気づいた、とか??


 だから勘違いしそうになって…そうなら嫌だな、みたいな!?


 そうだったら、どうしよう……。


 
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