きみだけが好き。


「はーい、みなさん!! こっちを向いてくださーい」


 滝さんの声が、教室に響く。


「みんなに案を考えてもらった結果、女子はメイド服、男子は執事服を着た……メイド&執事カフェになりました!!」


「「いえぇーーいっ!!」」


 教室中が「やったー」とか「こういうの、してみたかった~」という声が飛び交った。


「花帆ちゃん!! なんかおもしろそうだねっ メイド服とか着てみたいよね~」


 未琴ちゃんが後ろを向いて話しかけてきた。


 はっ!


 今は、あの言葉忘れないと!!



「うん、楽しみだね~。 今日から準備するのかな…?」


「ううん、明日からだって。 今日は決めただけらしいよ。あと、色々決めるって」


「そうなんだぁ~、前半と後半どうする??」


「あ、花帆ちゃん、そのことなんだけど…」


「うん?」


「…八代くんと一緒にまわったら、どうかな?」


「…えっっっ!?」


 なっなっっ…


「実は、紫月から花帆ちゃんが当日告白すること聞いたの。 それで、ふたりでまわったらどうかな?って。 あたしたちは後藤くんと健くんとまわろうと思ってるんだ。

 紫月と後藤くんが2人でいると、付き合ってることがばれちゃうから、4人で」


「……」



「いや、かな?」



 八代くんと二人でまわりたい、っていうのはあるけど……。


















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