きみだけが好き。


「よ、よろしくねっ」

 
 未琴ちゃんは紫月に控えめに言った。


 この空気変えないと……!


「じゃあ、みんなでお昼食べ……」


「ちょっと花帆借りていい?」


「紫月!? どこ行くの!?」


 紫月は私の手をつかんで廊下に出る。


 やっぱり、見た目で未琴ちゃんのこと……。


 3人で仲良くなんて、無理なのかな…。


「ねぇ、花帆…」


 連れてこられたのは中庭。 こっちに人はあまりいない。


「なんでギャルのあの子と仲良くしてんの?」


 やっぱそうだよね、そうなるよね。


 だけど、紫月に未琴ちゃんがいい子だって分かってほしい。


「未琴ちゃんはいい子だよ? そりゃ私も初めは正直ひいちゃった。 でもね」


 私は酸素を吸い込む。


「ああ見えて未琴ちゃんすごく優しいんだ。 さっきも言ったけど、私がひとりでいたら声、かけてくれた。」

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