きみだけが好き。
まぁ、そりゃそうか…。
でも、未琴ちゃん頑張れっ。
……私は二人を見守ることにした。
「紫月…」
「うん。 花帆が認めてる子だからいい子なんだよね。…さっきはごめん」
「ううん! こっちこそ。 でも……ありがとう、二人とも」
「「え?」」
私と紫月の声がハモる。
「あたし、高校入ってから友達出来なくて…。 というか、作り方さえ忘れててね? それは色々あったからなんだけど…。 だから、こんなギャルみたいにして……気にしてほしくて…」
そうだったんだ…。
確かに未琴ちゃんの性格とこの格好は合わないないな、って思ってた。
「でも1年生の時、花帆ちゃんみてて思ったの。 この子と友達になりたいって。 花帆ちゃん優しいし…いつもニコニコしてたから」
「そうなんだ……」
「未琴……」
今、未琴ちゃんは泣いてる。
そっか。 だから私に話しかけてくれたんだ…。
『席が近い』ていうだけで私に話しかけてくれたわけじゃないんだね。
「未琴ちゃん、紫月。 これから仲良くしようね!!」
「うん、そうだそうだ。 未琴、うちらがいる!」
「……ありがとうっ」
未琴ちゃんの涙は、うれし涙だと思った。