きみだけが好き。




 翌日。


「……や、八代くん……っ」


 朝、隣にいる八代くんに遠慮がちで話しかける。


 もう、彼女なんだから遠慮せずに話しかければいいのに……なかなか。 



「ん、何かあったか?」


 八代くんは、私の方に顔だけ向けてくる。


 あぁ…今日もカッコイイ……。


 じゃ、なくって!!


「え…っとね、今週末に……で、デートしないっ?」


 私の言葉に少しビックリした様子。


 あ、だめだったかな…。


 なんて思ってると。


「そうだな。 付き合い始めてからまだだもんな。 …うん、行こ」


 あれ??


 少し顔が赤いのは気のせいなのかな??


「…森田から誘ってくれんのって…うれしー…」


 そう言って、顔を反対の方に向けてしまった。


 あ、もっと赤くなっちゃったっ


 最近よく思うけど……


「八代くんって、照れ屋さんだよね」


 その言葉に、バッと私の方を向く。


 


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