きみだけが好き。



「…俺の事、からかってんの」


「え、やっ…ちがっ」


 つい声に出しちゃった……っっ


 や、八代くん、顔近いッッ!!



 ここは教室なのに、ずんずん体も近づけてくる。


 私は今、八代くんの方を向いてて……つまり、背中側は窓側。


 …逃げ場なんて、ない。


 やっ……ホントにちかーーいっ


 心臓がドッキドッキと変な音を鳴らしてる。


 至近距離で八代くんに見つめられて…体も、もちろん顔も熱くなる。


 そ、そんな整った顔でみないでよぉーーっ


 これ以上は、心臓がもたな……


「フッ キョドりすぎ。 …てか、どっちが照れ屋さんだよ…。


 森田、ゆでだこみたいになってんぞ」


 …へっ


 ゆ…で…だ…こ…??


 ゆでだこ!?


 そんなに顔赤いの!?


 と、さらにキョドキョドしてしまう。



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