きみだけが好き。






「…トリプルっ!?」


 …あぁー…


 やっぱり、驚くよね…。


 もっと早く言えばよかっ……


「てか、どーせそうだと思った。 …ホントは、俺らだけがいいけど…


 慣れが大事だし。 ま、いいんじゃん?」


 あれっ…?


 なんでか嬉しそうにしてる…というか、見抜いてたんだっ。


「あのね、もちろんメンバーは…紫月と後藤くんと、未琴ちゃんと中石くん、と……」


 私と八代くん!!


 …って言えばいいのに…っ!


 恥ずかしくて、しかも八代くんの前で言うのって…なんか…


「…と? あとはだれ?」


 わっ…!!


 この顔は、絶対からかってるよっっ


 八代くんは、ニヤニヤッとして、右の肘を机に立てて、小首をかしげながら私を見ている。



「…イジワル…」


「俺、別にイジワルじゃねぇよ?
  
 森田の言葉のつづきを待ってんだけど」


 …完全に楽しんでるよぉ。


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