きみだけが好き。
「……ハァっ…悪いな。 こんなとこで、抱きしめて…」
やっと止まったと思ったと同時に言われた言葉。
「い、いいよっ…う、嬉しかった…からっ…」
ただでさえ運動なんてしないのに、いっぱい走って息があがる。
「そっか。 うん、ならいいや。
なーんかさ、花帆といると、ドキドキすんだけど」
な、なな、なんてっ!?
今、蒼介、すごいこと言ったよ…!?
「…ドキドキ、した?」
…蒼介が、イタズラっ子みたいな顔をして聞いてくる。
あ…。
なーんだぁ。
からかわれてただけ、かぁ。