きみだけが好き。



「森田?」


 この声って……八代くん!?


 私はガバッと起き上がった。


「や…八代くん。 こんにちは」


 って、なんであいさつしてんの…!


「ハ八ッ。 こんにちは、って…。ホント森田っておもしろいよなー」


 わわわっ。 恥ずかしいっ。


 あれ? 八代くんの後ろに2人いる。 誰だろ……。


「あ、そか。 花帆ちゃん俺と由紀のこと知らないのか」


 2人のうちの1人、茶髪のチャラい感じの男の子が言った。


 ん? なんで私の名前知ってるんだろう…。


 同じクラスになったことないと思うのに…。


「俺、3組の中石健(たける)!」


 一応私も自己紹介……。


「私は、も……」


「森田花帆ちゃんでしょ? 知ってるよ~」


 だから、どうして知ってるの?


 さっき言ったんだっけ? あれ…そうだっけ?


「蒼介からよく聞いて………痛ったッッ」


 ?


 なんて言ったんだろう?


 ていうか、どうしたの?








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