きみだけが好き。




「なっなんでもないっ」



 恥ずかしくて、焦ってでた言葉。



「…そっか。 じゃ、行こ。 由紀たち待ってるから」



 そう言って、手をさりげなくきゅっと握って来た。



 心配、かけちゃったかな…?



 でも、深く聞いてこないのは…優しさなの…?



 私は、蒼介の手を、きゅっと握り返した。



 心配しないでって気持ちを込めて。



 蒼介は、ふっと笑ってくれた。



 大人のキスに、慣れてなくて…不安だっただけなんだよ。



 ……そんなことは言えないけどね。



 


 そして、そのまま紫月たちと合流して、お昼を食べた。






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