きみだけが好き。
聖なる夜の甘い願い。
「ね、花帆ちゃんは何あげるの?」
トリプルデートから3週間経った日の放課後。
今日、紫月は部活があるらしく、未琴ちゃんと帰っていた。
「何って…なに?」
質問の意味が理解できず、聞き返すと…
「へっ!? 花帆ちゃん、わかってる!? 今週の金曜日、クリスマスだよ!?」
え、クリスマスって……あ、イブっっ!!!
「そ、そうだったーーーーっ」
最近、蒼介とはメールをちょくちょくするようになったから、それだけで幸せで……つまり、クリスマスのことは考えてなかったっ。
「どうするの? あと4日だよ?」
確かに、もう雪も降り始めたし…景色もクリスマスっぽくなってる。
なんで気付かなかったんだろう……。
「きっと、八代くんはいろいろ考えてると思うよ~。
文化祭の時だって、アレ全部八代くんが考えてたし…あたしたちは準備を手伝っただけだしねっ!!」
未琴ちゃんにそう言われて焦る私。
私ばっかりイイモノもらって……どうしようっ!?