きみだけが好き。



「お前さー、黙ってろって」


 どうやら八代くんが、中石くんの足を踏んだみたい。


「わーったよ。 わりぃって。 でさ、花帆ちゃん」


「はい?」


「こっちの賢そうなヤツが後藤由紀。 実際、頭いいよ」


 中石くんが、もうひとりの男の子を親指で指差す。


「……ども」


「あっ、よろしくです」


 うわ、同い年なのに緊張しちゃうからか敬語に……っ。


 それに、3人ともよく見ると、めちゃくちゃカッコイイんだもん。


 そんな人たちと話してるとか、キセキなんじゃ……。


「花帆ちゃん、メアド交換しよー」


「うん、いいけど…」


 ここで、『イヤ、無理です』なんて言えないって…!!


 私は携帯を取り出す。


 あっ、中石くんの、スマホだー。


 いいなぁ。 


「ほい。 赤外線で送ったよ。 あと、蒼介と由紀のも送んねー」


 えぇ!?  や、八代くんのも!? 


「おまっ」


「いいじゃん、蒼介。 そのほうが。 な?」


「……ん、まー」


「……はい、完了。 これから俺らとよろしくね、花帆ちゃん」





 


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