きみだけが好き。




「はい、かしこまりました。では、こちらの方へどうぞ」



 お店の人についていくと、色々な指輪…ペアでつけるものが、たくさんある部屋に招かれた。



「どうぞ。 お掛けください」



 私と未琴ちゃんは、腰を下ろした。



「こちらの方だけでしょうか? 」



 女の人が未琴ちゃんを、チラッと見て言うと、「はい」と未琴ちゃんが応えた。




「はい、かしこまりました。 では、まずリングの種類と色ですね」



 そう言ってリング表みたいなものを見せてもらって、ゆっくり考えているとき。



「彼氏さんにですか?」



 女の人にふいに聞かれて、「あ、えっと…はい」と照れてしまった。



 彼氏、って言うの照れるものなんだな…。



「ふふっ かわいらしい彼女さんですね。きっと喜ばれますよ」



 女の人はニコニコしながらお世辞を言ってくる。



 か、かわいらしい……って…!


 照れるよぅ……。





 
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