きみだけが好き。


 ドキドキ。


 緊張しちゃうってー…。


「いや、いいよっ。 大丈夫っ」


 ドキドキしちゃうもん…。


「蒼介、めちゃめちゃ教えんの上手いよ!! ふたりで再追試、脱出したいじゃん!」


 確かに再追試も補習もヤダ……。


「俺、教えるよ」


 八代くんに言われたら……。


「…お願いします」


「ん、了解」


 八代くんは優しく笑った。


 八代くんて、優しいの? イジワルなの? どっちなんだろう…。


 でも、今は優しいよね。


 こっちの方がいいなぁ。


 いつのまにか、私と八代くんの席がくっついてて、向かい合う形になっている。


「よし! 勉強会の始まりだーー」


 勉強会…?  あはは、なんかおもしろいかも。


 中石くんと後藤くんは未琴ちゃんの席と、その隣の男子の席を使ってる。


「どこがわかんないとか、ある?」


「あっ、えっと……どこがというか全部というか…」


 絶対バカな奴だって思われてるよね。


 いや、バカなんだけども……。



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