きみだけが好き。
「うっわ。 顔赤っ てか、名前は!!」
「…知ってるわけねーじゃん。 でも、たぶん同じ学年」
「特徴は!?」
健、そんなに必死になって…ヘンな奴。
「ちっちゃかった。 うん、で…髪は肩上で…サラサラしてて…」
「うんうん」
「……ちょっと童顔だったかも」
「…へぇ~ かわいいじゃん。 よし、じゃ、さっそくその子リサーチだわ」
「…捜してどうすんの」
「蒼介のこと、好きになってもらう!」
╼╼╼バコッ
「ぃてえっ」
俺はグーで健の頭にげんこつしてやった。
「余計なことすんな。 第一、好きじゃねーし」
「…ふぅん。 ま、いいんじゃん? これからが楽しみだなぁー」
由紀もうなづいてるし……なに、あれ。
╼╼╼そして、それから家に帰った。