きみだけが好き。






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「ふぁあっ ねみっ」



 翌朝。



 俺は、早く学校に来ていた。



 電車通学だから、いつもより1本早く乗って来たわけで…当然、寝不足。




「…なんでここにいんだろ」



 …俺は、中庭に来ていた。



 当たり前だけど……周りには誰一人としていない。



 …あの女も…いない、はずなのに。




「…俺、バカ?」




 あの女に会いたい、なんて。



 この気持ちは……そう、なんだろうか。



 ずっと避けてきたこと。 【恋愛】…。



 でも、こんなに軽く…早く、……俺ってそういうの、できたんだ?



 自分でも、この気持ちの正体はわからない。




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