きみだけが好き。





「はい、ありがとうございましたっ」



 その女は、俺の手を借りて立ち上がり、ニコッとほほ笑んだ。




╼╼╼ドキッ



 この女……って昨日の…



「花帆、わたしの大福食べちゃうからこうなるんだよっ」



「へへっ ゴメン紫月っ」





 2人は、笑いながら俺を通り過ぎる。






 その時、「花帆」と呼ばれた女のネームプレートが見えて……



 【森田 花帆】と書かれていた。




 




 もりた、かほ…。




 俺は、何度もその言葉を心で呟く。




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