きみだけが好き。



「あっ その顔はいるなぁ?」


「いっいないってば」


「花帆ちゃん怪しいなァ」


 な…なに? ふたりとも…。


「花帆ちゃん、八代くんのことどう思ってるの?」


「えっ八代くん!?」


 なんで急に…っ


 あ、焦ったぁ。


「お。 なぁーに花帆、八代くんが好きなの?」


「そ、そんなわけないよっ。 相手は学校の人気者だし……」


 第一、好きっていう感情がないもん。


「でもさ、未琴。 なんで八代くんが出てくるの?」


「確かに。 どうして?」


 言われてみれば。


 なんで八代くんなんだろう……。


「いや、クラスで結構ふたりいい感じなの。 女子も嫉妬してるくらい」


「そ、そんな! いい感じとか、ソレ全く違うよ!」


 やっぱり、隣の席っていうだけで、仲良く見られたり、嫉妬されちゃうんだ。


「まぁね~隣だもんね。 でもさ、噂だと八代くんて、女子とあんまり話さないみたいだよ。 それって、花帆が特別ってことじゃない?」


「うんうん」


「………」


 特別って……そんなことあるわけないじゃん…。



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