きみだけが好き。



「なにかないの? 八代くんと」


 紫月が身を乗り出して聞いてくる。


「何かって言うか……メアドはある」


「「なに!?」」


 うぎゃっ


「ふたりとも静かに…」


 ここは喫茶店なんだから…。


「それ、やばいって!」


「なにが?」


「ん~? 言わな~い」


「え、なんで。 言ってよ紫月っ」


「あ~、なんかあたしがドキドキしてきちゃった」


「わたしも」


「??」


 ふたりして、さっきから何言ってるのかわからないよ。


「そういえば、花帆、夏休みの補習脱出できたじゃん。 どうやって勉強したの?」


「八代くんと…」


「ちょっと、花帆アンタどこまで仲良くなってんのよ~っ」


「…他にも中石くんと後藤くんと勉強会的なのしたんだってば」


 なんで八代くんに反応するかな、ふたりして。


「花帆」


「花帆ちゃん」


「なに?」


 ふたりとも目がキラキラしてるのは気のせい?
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