きみだけが好き。



「…おー」


 部屋から雄がパジャマ姿で出てきた。


 もしかして、寝てたな?


 雄なんて、中3のくせに、もう173センチあるらしい。


 私なんて150どまりなのにさっ。


 ま、バスケやってるからあたりまえか…。


「お母さん、雄連れてきたよ」


「ありがとっ。 雄、ご飯の時間になったら降りてきなさいよ」


「……へい」


 家族4人で囲む食卓。


 そしてグラタン。


 もう、たまらないね!


 もう少しで夏休みになるし!!


「ねーちゃん、黙って食えよ」


「へ、なんか声出してた?」


「や、ニヤついてっからキモいな―って」


「ちょっ お姉ちゃんにキモいはないでしょーっ」


 こんな毎日がたまらなく幸せだなーって思う私は変かな?


 雄も、口では生意気なこと言っても、何かあれば助けてくれる。




「じゃ、早く食べ終わった人から洗面所使っていいわよ」


「私使うっ」


 速くお風呂も入りたいし。

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