きみだけが好き。




╼╼╼ピンポーン



「はぁーいっ」


 紫月が来たのにまだ準備が………!


「おはよー花帆」


「おはよう。 ごめんっ ちょっとだけ待ってて」



╼╼╼╼バタバタッ



「ねーちゃんもっとゆっくり階段あがれよ…」


「ごめん雄! でも、急いでるからっ」


 雄のこと起こしちゃったみたいで、機嫌悪そう…。


 許してっ!!


 私はバッグに必要だと思った物を入れ、また階段を急いで降りる。


「はァ…はァ…っ お待たせっ」


「そんなに急がなくて、よかったのにっ」


「だって、いつも待たせてるよね私。 だから」


「もうっ かわいーな花帆」


「じゃ、雄~ 家頼んだよ~~!!」


「…うっせー。わかってるっつーのっ」


 お母さんもお父さんも朝早くに仕事があるから、もう家にはいない。


 だから、雄だけになる。

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