きみだけが好き。
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「花帆、今日は話聞いてくれてありがとね。 それから……恋してることに気付いてよかったね」
あれからちょっとしゃべって、喫茶店を出た私たち。
今日もミルクティーはおいしかった。
「うん。 紫月のおかげだね。 自分じゃ気づかなかったよ」
本当にわからなかった。
「あはっ もうさ、いつ気づくかなぁとか思ってても、全然なんだもん。 ホントは花帆自身に気づいてほしかったんだよ?」
「えっっ!? もしかして紫月、気づいてたの? 私が八代くんを好きなんだって」
「そうだよ? 何年一緒にいると思ってんの? それに、未琴もわかってるよ。 気づいてないのは花帆だけ」
「そうだったの!?」
未琴ちゃんもわかってたんだ…っ
それなのに、自分で気づかないなんて……。
私ってバカ……。
「何度も気づかせようと、いろいろ言ってたのにね~。 ま、初めてだからだと思うけど」
「…はは…」
ついため息がでちゃうよ。
なんで気づかなかったんだろう…。
「こらこら。 これから幸せやってくんのにため息なんてダメだぞ~~」
そ…っか。
そうだよね。
「うん! そうだねっ」