きみだけが好き。



 あ、まだ時間全然余裕だ…。


 ほんのりメイクしてみよっか。


 軽くピンクのチークとグロスを塗る。


 ビューラーでまつ毛をくるっとさせて、浴衣と同じ水色のアイシャドウを塗った。


 かなりナチュラルメイク。


 でも、もし八代くんに会ったとき、かわいいって思ってほしい…。


 はっ!!


 私、今すごく恥ずかしいこと思ったっ


 …でも。


 この気持ちも『恋』なんだよね…。


「恋する気持ち……か」


 今までにない感覚に、私はドキドキしていた。








「あっ! そろそろ出なきゃっ」


 3時にあの喫茶店のところっ


 今は2時43分。


 あっという間に時間過ぎたっ




「うわ、ねーちゃん」


「ごめん雄っ また後で!」


「…何も言ってねーし」



╼╼╼╼バタバタッッ


 わーーー


 急げっっ
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