きみだけが好き。



「由紀に会うかもしれないから……頑張っちゃった」


 紫月が顔を真っ赤にして言った。


 わぁっ 紫月かわいい…。


「あ、花帆。 わたし、未琴に由紀とのこと話したよ。 ね?」


「うん」


「ホント!? よかったねっ」


「だから花帆も、あのこと言わなきゃ」


「…あのこと?  あぁ!!」


「? なに? 花帆ちゃんなにかあるの?」


 八代くんのことだ…。 


 そうだね、未琴ちゃんにも言わなくちゃ。


「あのね…私、八代くんが好きなんだ……」


「やっと気づいたんだ花帆ちゃん!! 良かったね。 あたし、ずっとお似合いだなって思ってたから嬉しいっ」


「お…お似合いなんてっ」


 絶対ありえない…っ


「よしっ 行こう」


「「うん」」


 なんか、思ってた以上に楽しいな。


 こうして、3人でお祭りなんて。


「花帆、メイクしたんだね。 すごくかわいい」


「ありがと。 紫月、その浴衣似合うねーっ」


 紫月の浴衣は濃いピンクにキレイな柄。


「花帆だって似合うよ。 それに、髪型上手にセットしたね!! いいな~」
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