きみだけが好き。


「お待たせ~。 実は今日お昼食べてなくてさぁ」


「そうなの? でも、ここの屋台おいしいもんね」


 ここのお祭りの屋台はどんなものもおいしい。


 …それにしても八代くんのこと見てないな。


 会いたい…。


 私、八代くんに完璧恋しちゃってるんだな。


 この気持ちを……大切にしたい。


「どうしたの花帆。 ずっとキョロキョロしてるけど…」


「紫月、それ愚問~。 だってこのお祭りに八代くんいるもんね?」


「……!!」


「あは。花帆照れてるの? あ、由紀に電話して合同でお祭り楽しむのはどう??」


「そうだね。 たぶん向こうも3人だし…それ、いい考えだと思うよ」


 紫月も未琴ちゃんも私を見る。


 きっと、私のために言ってくれてるんだってわかる。


 そっかぁ、そうしたら八代くんに会えるんだ…。


「うん、私もそうがいい。 紫月、お願いできる?」


「もち! 今電話するね。 そのまえにここから移動して、焼きそばのパック捨てなきゃ」


 私たちは人があまりいない所へ移動した。 たしかに電話したところで、ガヤガヤしてたら聞こえないもんね。


 
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