きみだけが好き。


「え!? 何を!?」


 未琴ちゃんが興味アリアリな顔して、身を乗り出してくる。


 紫月には、もう言ったんだけど、なかなか未琴ちゃんと連絡が取れなかったし、家も遠かったから言えなかったことがある。


「実はね…、私、告白しようと思って」


「えぇえええ!! こくっ…」


「わーーっ!! 未琴ちゃん、ストップッ!!」


 大きい声で、告白って言おうとした未琴ちゃんの口を、慌ててふさぐ。


「ごめっ でも、なんで急に? 今までしないって言ってたのに…」


 そう。 今まではそうだった。


 でも、夏祭りの時に、気づいたんだ。


「このままじゃ、誰かに先に越されちゃうって思って。 何もしないで、八代くんが他の子と付き合っちゃったら、きっと後悔するかなって」


「…うん」


「だから、結果が良くても悪くても……気にしないで、言おうと思うんだ」


 一緒に、芝生の上で寝転んで花火を見たとき……告白しようって、思った。


 
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