きみだけが好き。



╼╼╼キーンコーンカーンコーン……


「花帆ちゃん、次移動教室だよ?」


 もう1時間目が終わり、10分休憩。


 あー、次音楽かぁ……。


「うん、もう行く?」


「あ、花帆ちゃん後ろ……」


「へっ?」


 私は後ろに振り向く……と。


「森田さんにさ、聞きたいことがあるんだけど」


 クラスでも派手なグループにいる、山岡さんが私を見下ろしていた。


 えっ……なにか用事かな…?


 みると、山岡さんの後ろに同じグループの人が3人いた。


「…なにかな」


 2年生になってから全然しゃべってないような人たちから話しかけられるって、なんか怖い。


「単刀直入に言うね、森田さんて八代くんと付き合ってる?」


 …ほ?


 私と八代くんが…付きあ…って?


 ……ん!?


「えぇええ!? ないない! 違いますっっ」


 片思いしてるだけなのに、そんなわけないよ!?


 なーんてことは言えないけど……でも、どうして??


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