きみだけが好き。
「…っ!?」
そこには八代くんが座っていた。
あんまりにもビックリしたものだから、声にならない驚きが顔全体で現れる。
「はははっ そんな驚くか?ふつー 最初っからここに居たしっ」
╼╼╼╼カァアアっ
みるみるうちに、顔が熱くなっていく。
きっと、まっ赤だ。
「森田ってさ、なんでそんなかわ╼╼╼……っ!」
そこまで言うと、八代くんは慌てた感じで口を手で押さえた。
え? 『かわ』??
なに? なんて言おうとしたの…?
「なんでそんなにおもしろいんだよー?」
八代くんは、さっきのことは何もなかったかのように普通に話してくる。
…??
なんだったんだろう…?
…それから、先生が15分遅れで来て、時間を間違えてたって謝った。
みんなは「はぁー? センセー鈍くさっ」なんて言って盛り上がっていた。
そんな中、私はさっき八代くんが言いかけて飲み込んだ言葉がわからなくて、知りたくて……必死に考えた。
『かわいい』
こんな素敵な言葉だったらいいなって思ったけど……ムシが良すぎてすぐ撤回。
八代くんて、本当わからないよなぁ…。