きみだけが好き。
恋敵。
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「えっ!!? 山岡ひな子も八代くんが好き!?」
みんなが毎日楽しみに待っている、昼休み。
今日は私と紫月でのランチタイム。
未琴ちゃんは、委員会があるらしく、そっちの方でお昼を食べるみたい。
…ていうかさ。
「紫月うるさいっって!!」
ついさっき、あまりにも驚いたのか、大きい声を出した紫月を注意する。
私は慌てて周りを見ると……ホッ。
八代くんも、山岡さんのグループもいない。
教室にいるのはほんのわずかな人数だった。
「ごめん! でもさ、山岡ひな子って……ギャルじゃん? どう見ても、八代くんのタイプとは違うと思うけど」
紫月は、私を見ながら「でも…」と続ける。
「同中の人に、前に聞いたんだけど……山岡ひな子って、好きになった人を手に入れるまでしつこくアピールするんだって」
「えっ……」
それって……つまりは、八代くんと付き合うまで、ずっとアピールするってこと…。
「どうしよう…。 山岡さんと八代くんが付き合っちゃったら…」
「いや、そんなことさせたくないね!! てか、させない!!」
紫月がすごいオーラを出して、
「花帆、アンタ今日にでも告りなさいっ」
すごいことを言ってきた…。