先生、もう一度好きになっていいですか。
「いや、いないですよ」

すると、先生はあたしに近づいてきた。

そのときの先生の顔は、

何かが抑えきれなくなったような

愛おしさだけを感じさせる顔。

・・・あたしだけが視線を独り占めしてた・・・

愛おしい人。

目の前にいるのは大好きだったあの人。

・・・今は先生を好きって言っちゃうと

ここまで忘れようと頑張ってきたのに、

自分が壊れてしまうから言わないよ。

本当に熱があるのかって思った。

先生の顔が真っ赤だったから。

反射的に後ずさりをしてしまった。

「・・・あ、ごめん」

「いや、大丈夫です・・・」
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