先生、もう一度好きになっていいですか。
すると、目の前を横切って行ったカップル。

「ちょっとぉ~やだあ~」

「いいじゃん~」

イチャイチャしていた。

…いいなぁ。

理子がいきなり固まる。

「…どうしたの?」

「あ…あ…」

様子がおかしいのに気が付きカップルの

顔をみる。…あ。

「あ、やっほぉ~、鈴香ちゃんと

 理子~。」

「…あ、鈴香…」

心の中の何かが崩れ落ちる音がした。

先生の少し気まずそうな顔。

それがあたしの心を痛めていた。

「あっ…あああ…」

理子が泣き崩れてしまった。

そんなことも山野さんは容赦しなかった。

「あれー?理子、なんで泣いちゃったの?

 あたしはあの事ぜーんぜん恨んでないよ。

 大丈夫だから…理子、泣かないで?」



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