先生、もう一度好きになっていいですか。
その言葉に返事もせず、走った。

「山野さん!!」

「あー、鈴香ちゃんだー!」

知ってるくせにすごい笑顔で

あたしに話しかけてきた。

「…なんで先生を…」

「ほーら、やっぱ好きなんじゃん」

その余裕な笑みに腹が立った。

「なんでばらす必要があったの!?

 なんて人の人生を汚すことが

 できるわけ!?」

「先生だって生徒と付き合うっていう

 悪い事をしたじゃない。

 だから、あたしとキスした写真を

 先生にみせてやったの。

 全てはあなたと理子を苦しめるため。

 すごく楽しいわよ?」

またその笑みに腹が立つ。

「翔哉だってあたしが天使だって思ってる。

 あたしみたいに可愛くて頭がよくて

 運動もできてお金持ちで。

 そんな子が性格もいいわけないじゃない。

 誰もあたしをいじめようって思うわけ

 ないじゃない。翔哉もピュアだし、

 人の裏ってことを考えないのよ。
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