Summer memories
「志衣っ………。泣くな……。」



俺は志衣をなだめた。



でも志衣は泣きやまなかった。



「おい、何が嫌だったんだよ。
俺には志衣の泣いてる理由が分からねえ。」



俺がそう言うと志衣は口を開いた。



「いずぼっ、ずっぼっ、ざんじんでっ、びようでっでっ、だいずげっ、びっでだのにっ。」


志衣、泣きすぎだろ………。



「………。恭介。」



俺は志衣がなんて言ってるか分からないから、
恭介に助けを求めた。




「いつも、ずっと三人でいようねって、
大輔言ってたのに。っだってよ。」




さすが恭介。




まあ、確かにずっと三人で一緒がいいなって
俺言ってたな。




「だいずげがっ、ぞうびっでぐれるのっ、
あばしっ、ずっごぐ、ぶれじがっだの。」




「大輔がそう言ってくれるの、
あたしすごくうれしかったの。」





「あばしもっ、ずっどっ、いっじょがっ、
いいだっでっ、おぼっでだ。」



「あたしも、ずっと一緒がいいなっておもってた。」




「ぞれだどにっ、だいずげっ、ぎゅうに、
じぶんのごどっ、じゃばどがっいうがらっ。」




「それなのに、大輔、急に自分のこと、
邪魔とか言うから。」




それから志衣は黙りこくってしまった。


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