Summer memories
あれから、志衣はだいぶ落ち着いてきた。


「志衣?泣き止んだか?」


「だから、泣いてないってば。」


「泣いてたじゃんかよ。ほら目腫れてるぞ?」



俺は志衣の目の周りを指でなぞった。


「ん~!うるさいっ!」



志衣はほっぺを膨らませた。




かっ可愛い♡



ゴンッ!


「いでっ!!」


いきなり後ろから、頭を殴られた。



「いつまで引っ付いてんだよ。」



俺と志衣は顔を見合わせた。



実は、まだ抱きついたままだった。



俺と志衣は恥ずかしくなって急いで離れた。




「なっなんだ。恭介かよ。ビビったじゃねーか。」



「ってか、恭介どこ行ってたの?」



「ああ。ほらよっ。」



恭介は俺と志衣に何かを投げた。



「うぉっ!あぶねーな。」



「冷たっ!アイス?」



「おうよ。駄菓子屋行ってたんだ。
それ、俺の奢り。」



「なんだよ!恭介気がきくじゃねーかよ!」



「ありがとう!!恭介!」




「じゃ、俺、そろそろ帰るな。」



すると、志衣は立ち上がり、


「あたしも帰る!大輔は?」



「俺はまだ残っとく。」



「そうか、じゃあな。大輔。」


「バイバーイ!」



俺は手を振った。









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