Summer memories
「ううっ、ひくっ、ひっく……。」


「ううっ、ずびびびっ……。」


「お前ら泣きやんだか?」


「「泣いででーよ。」」



ふふっと恭介は笑った。




恭介は海を眺めた。





「昨日の夜に俺、突然倒れて、

病院に運ばれたんだ。」



「恭介………。」



「それで、検査してみると、

いくつか腫瘍が見つかったんだ。」



「恭介、もうやめろ……。」



「それで、末期癌だって………

俺、あまりにも突然で、

何がなんだか分からなくてよ……。」



「もう、それ以上言うな。

辛くなるのはお前だぞ。」




「………ごめん。」




< 49 / 55 >

この作品をシェア

pagetop