Summer memories
「おいおい、俺が一ヶ月しかいられねーってのに、三日間も家にこもるってどーなのよ。」


恭介は半笑いで言った。


「ごめん………
涙が止まらなくて………。」



あたしがそう言うと…



ギュッ



「へ!?」



恭介はいきなりあたしの体を抱きしめた。




「だから、泣くなって。

俺まだ生きてんだから。」




恭介のその言葉があたしの鼓動を速める。




「そ、そうだよね。ごめん。」



恭介は抱きしめていた手をすっと離した。



「てかさ、大輔は?
こんな朝早くに呼び出しといて
いねーじゃねーかよ。」



「確かに。いないね。」



あたし達は周りを見渡した。



「「あ。」」



駄菓子屋の方からこちらに走ってくる人影が。




「大輔だよな。あれ。」




だよね。とは言ったものの、


泣きすぎて、腫れてぼやけている目では、


あまり大輔の姿を認識するのさ難しかった。


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