Summer memories
あたし達は、小さいころから仲がよかった。


親同士も仲がよくて家族ぐるみの付き合いも多かった。


だからアルバムを見るといつもこの三人だった。


でも、あたしと、大輔はよくケンカしていた。


で、恭介がいつも仲直りのきっかけをつくってくれた。


恭介はいつも優しかった。


小学生の頃、

三人で鬼ごっこをしてて、あたしが鬼のとき、
恭介はわざと遅く走ってくれたり、


冬、

あたしが手袋をしていくのを忘れたとき、
『俺、別にいらないから。』と言って、
あたしに手袋貸してくれたこともあった。

あのとき、手こすってたの見えたよ。

本当は寒かったんだよね?


恭介のそういうとこが大好きだ。



そして、いつからか、幼なじみから、恋愛対象に…………。







「………ん?」

あれ。あたし寝てた?



「志衣。起きたか?」


「え!?恭介?」


あたしは恭介の肩に頭を乗っけて寝てたらしい。


大輔も反対側の肩に頭を乗っけて寝ている。


「ごめん!肩つらかったでしょ?」


「そんなことねーよ?」

と言って、恭介はフニッと笑った。


日焼けした肌。くっきりした瞳。

笑ったときに見せるキラリと光る歯。


かっこよすぎるよ……!!



「今、大輔寝てるから、ちょっと大事な話していいか?」


「なに?大事な話って。」



波の音が大きく聞こえる。



「俺、志衣のことが好き。」




波の音はさらに大きく聞こえる。


頭は真っ白。




「つきあってください。」






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