いちご
転校生
最近は、よくあること。
優くんは忙しいみたい。でも、ちょっとさみしいな…

→転校生が来る日…

「てか、優希くんで思い出したけど、あんたまた昨日も一緒に帰らなかったの⁉」

「うん…。でも、優くん忙しいみたいだし、しょうがないよ…。
でも、何で知ってるの?」

「いや、それわ…

きーんこーんかーんこーん…

あっ、ほら席に戻って!先生くるよ!?」

「? …うん。また後でね!」

(梨花どうしたんだろ?)

「今日は転校生を紹介するぞー」

先生の言葉のあとに入ってきた転校生を見て、わたしのモヤモヤは一気に飛んで行った。

(ちょーかっこいい!!!)

入ってきたのは茶色がかった髪に綺麗な顔のイケメンさんだった。

「きゃーー!」

女子の歓声が聞こえるなか先生がイケメンさんの紹介をした。
先生が黒板に書いた名前を見た時、わたしは目を見開いた。

「佐竹 優輝」

(!?えっ!?えっっ⁉!?ちょ、どーゆーことよ⁉…さたけ ゆうき…!?)

私のそんな混乱はよそに先生は私の隣の空いた席を指差して

「相川の横が空いてるな。佐竹、あそこに…」

先生が言い終わる前に佐竹くんはわたしの隣に座り、

「よろしくね。愛未ちゃん」

「え?何で名前…」

「まぁまぁいーじゃん♪てか、学校案内してよ〜」

「えっ⁉わたしが?」

「うん!だめ?」

「いや…だめじゃないけど…」

「じゃあ昼休みね♪」

(はぁ、しょうがないな…)


そして、昼休み。

「愛未ちゃん♪行こうー!」

「あ…案内って私がするんだよね!?
何で先に行くの⁉」

私は佐竹くんに引っ張られていた

「俺の行きたいところに一緒に来てくれたらいいの♪」

「それ案内じゃないじゃんー笑」

佐竹くんは超自由だけど一緒にいて楽しい。今は寂しさとか忘れて、楽しめるかな…

「うわっ!」

「?どうしたの?」

佐竹くんが急に止まった。
前を見たまま動かない佐竹くんにもう一度聞いてみる。

「佐竹くん?」

「あれって…愛未ちゃんの彼氏…じゃね?」

「えっ?」

佐竹くんが見ているのは廊下の先のひと気のない場所。

そこには優くんが知らない人とキスしていた。
わたしは目の前が真っ白になった。
気づいたら来た道を全速力で引き返していた。

「愛未ちゃんっ!!」

佐竹くんが後ろで呼んでいたけど今は振り返れない、振り返りたくない。






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