いちご
「愛未っっ!」

「えっ?」

「やっぱここにいた…」

そこにいたのは…

「っ佐竹くん…何でここに…」

息を切らした佐竹くんだっだ。

「探したんだぞ?あんな風に走っていっちまうから…」

「どうしてここが分かったの…?」

ここは…優くんしか思いつかないと思っていた。

「…。」

「佐竹くん…?」

「…俺に…」

「え? っきゃっ!?」

佐竹くんは私を引き寄せて抱き締めた。

「俺に、分からねぇわけないだろ!」

「ちょっ、どういうこと?」

佐竹くんは私を離すとポケットから携帯を取り出した。
そこに付いていたのは…

「これ、覚えてる?」

イチゴのキーホルダー

「それっ!!?何で佐竹くんがもって…
まさか、…優くん?」

「おせぇよ、気付くの」

「でも、優希くんは…」

「お前は騙されたんだよ。
あいつは王子様の振りしてただけだ」

「そんなっ…」

騙されていたと知ってまた涙が溢れそうになったとき、ふわりと何かに包まれた

「おれがいるだろ?
泣くなよ…」

「…優、くん…」

「もう、どこにも行かねぇから。
もうお前を一人に、しねぇから。

会いたかった。愛未。」

「優くん…。寂しかったよ〜…!」



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