private lover ~大好きな人の前で他の人に愛を誓う時~
 美希はどうなってんだ?

 何もできることはないとバッサリ切られたが、

 あいつのことだから一人でいろいろため込んでる恐れがある。

 俺にも責任があるから、電話をかけることにした。


 「何の用?」


 無愛想に出やがって。

 ちょっと、からかってやろう。


 「用がないのに電話したらダメなのか?」

 「テスト勉強で忙しいから、今は特にかけて欲しくない」


 “今は”特に?

 普段もかけるなってことかよ。


 「………じゃあ切るぞ」

 「勝手にして」


 心配してかけてやってんのに、冷たすぎる態度にカチンときた。


 「何イラついてんだよ!」

 「それはアンタでしょ?」

 「お前が可愛くないからだ」

 「可愛い必要ってあるワケ?」

 「あるね。大アリだ。力貸す気も失せた。じゃあな美希」


 バカ野郎………

 通信切ったケータイを放り投げたくなった。

 電話なんか、すんじゃなかった。
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