private lover ~大好きな人の前で他の人に愛を誓う時~
 「マジあんたおかしいよ!!」

 「ミッキー」

 「どうして止めるの? こんなのおかしいって」


 一晩中泣いてたじゃん。

 まだ奈々は目の辺りが腫れてるし。


 「奈々に謝って消えて」

 「何で?」


 睨んでやると、寿は微笑とも苦笑ともつかない顔をして私の怒りの炎に油を注いだ。


 「あんた最低!! バカじゃないのっ!? 自分のやったこと考えてみなよ!!
 信じらんない。奈々をあんだけ傷つけといて、朝迎えに来るとかマジありえないから!!」

 「奈々ちゃん、悪かったよ。スゲー反省してるし。けど、俺が欲しいの、やっぱ娼婦じゃないから」


 は?? 娼婦?? 何言ってんのこいつ。

 マジ意味分かんないんだけど。


 「学校で待ってる」


 寿はそう言って車の中に消えた。

 静かな音を立てて走りだす車。

 フルスモークで、全然中が見えなかった。
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