private lover ~大好きな人の前で他の人に愛を誓う時~
 「今までドコにいたの~ぉ?」


 机に座って教科書出してもコレだ。


 「夢ん中」

 「どんな夢見たの?」


 あのなぁ、色目は通用しねぇよ?

 ボリューム満天の睫毛に、シャドウとラインで強調しまくった目。





 アイメイク力入れすぎだって。

 コエェよ。

 こういう女は全然タイプじゃない。






 「一緒に寝てみる?」


 ワンナイトで終わらすにはもってこいだけどな。


 「こっ寿くん……」


 けど、照れた顔は可愛いんじゃん?







 ん?

 何だこの気迫。






 視線を送ったら、もの凄い形相の女がこっちに向かって歩いてきた。

 なるほどな。





 「彩並くん、ちょっと」


 友だち思いのあの女が、怒り心頭もごもっともだ。


 「長くなるんでしょ? 授業終わってからにしない?」


 もっと怒る?


 「家に連れてってくれるの? みんなみたいに」


 そうでもねぇな。

 一歩もひかねぇし、俺と対等に勝負しようとしてるらしい。




 いいよ?

 いい暇つぶしになる。
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