private lover ~大好きな人の前で他の人に愛を誓う時~
 「無理しちゃダメだよ?」


 眉をひそめて言ったそのセリフには高飛車な雰囲気さえもない。

 岡崎ってこんなキャラだっけか?

 ゲームに勝つために路線変更?


 「朝飯強引に食わされたから」

 「いつも食べないの?」

 「あぁ」

 「そういえば、弁当つくって来た?」

 「つくるわけないじゃん」

 「ヤル気ねぇな」

 「命令されるのが嫌いなの!!」


 すごい目でにらまれた。

 やっぱり岡崎はこういう奴だよ。


 「俺の女なんだろ?」

 「そっそうだよっ!!」


 昨日、彼女になるって自分から言ったくせに、何たじろいでんだ。


 「なら、らしくしろ」

 「らしくって何?」

 「今週の日曜空けとけよ?」

 「命令しないで!!」

 「空けといてクダサイネ」


 毎日、鷹槻とこんな感じで言い合いばっかしてるせいで、

 いつの間にか俺ノリ良くなってるし。

 いらねぇこういうの。


 「暇だったらね」


 ウゼー。


 「俺は空けろって言ってんの」

 「だから命令」

 「空けといてくださいませ、オジョウサマ!!」


 って言えば満足かこのアマァっ!!


 「それで? 何があるの?」
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