believing
めぐり合い
桜舞う季節、私の恋の蕾は芽生えました。



―入学式。

松原サキ。ごく普通の顔立ち。
可愛くも無ければブスでもない。
そんな私は近所の市立中学校に今日入学する。

母とクラス発表掲示板に向かった私。
小学校時代からの友達と同じクラスに
なれる事を祈って...
ここの中学校は2つの小学校が合併して
成り立つ中学校である。
どちらの小学校も人数が多く、8クラスとなる。
なので私は友達が出来る事を期待していた。


校門をくぐると、たくさんの小学校からの
友達がいた。
目の前にはクラス発表の紙が掲示してある。
恐る恐る近づく私。
 《1年1組》
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33番 松原サキ
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「あった―ッ!!」

つい声に出してしまった。
友達と別れ、胸が高鳴るのをこらえながら
教室に入った。

「サキ―ッ!! 久しぶりだね~」

いきなり飛びついて来たのは、
6年生の時から仲の良い『宮野はるか』。
ハルカは、明るくテンションが高くて
まさに私と相性の合う大切な友達。

「そういえば、リカとユリも同じクラスだよ!」

このハルカの発言で、これからの
中学校生活に少しだけ安心感が生まれた。

しばらくハルカと話していると、
リカとユリが一緒に教室に入ってきた。

「リカ~、ユリ~!!」

私とハルカは声を合わせて2人の名を呼んだ。
すると2人はこっちへ駆け寄ってきてくれた。

『稲田里香』。通称リカ。
私の幼なじみでしっかり者。
整った顔立ちでとてもモテモテだった。

『浅原由理』。通称ユリ。
ユリとは小学校1年生からずっと同じクラスで
お世話になった。積極的な女の子である。

4人揃って私の机を囲み、
いつもと変わらない話をしていた。




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